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研究紹介

遺伝資源・品種改良

① 日本原産で花が美しいツツジ属植物を研究材料にして、 遺伝資源の自生地調査と収集、形態やDNAマーカーを用いた 遺伝的多様性の評価、有用な特性の交配育種による導入などに 関する研究を行っています。具体的には山陰地域の川沿いに 自生するキシツツジの調査とその環境耐性、秋咲き性などの 育種導入に関する研究、花色や形態に多様な変異をもつ 日本園芸品種の解析と育種利用に関する研究、またこれまでにない 形態や花色のツツジ、また香りツツジの育種に関する研究も進めています。 
 
② 多年性の花卉や野菜などにはいまだに品種改良があまり 進んでいない種類が数多くあります。日本原産(ツツジ・ハマダイコンなど) や南米原産(ジャカランダ・テコマ・アスクレピアスなど)の育種素材を用いて, 交配育種や倍数性育種、イオンビーム照射による突然変異育種等による 品種改良に関する研究と新品種の作出を行っています。

 

遺伝子解析

① ツツジの園芸品種には、野生種からの選抜や交配の結果、 花器の形態変異を持つものが数多く含まれています。ツツジ品種や その形態関連遺伝子を育種利用するために、花器形態変異を 引き起こしているホメオティック突然変異遺伝子の解析を行っています。 また、ツツジの花の主要な色素はアントシアニンです。常緑性ツツジにおいて 黄色花や青色花等の新花色を作ることが育種目標の一つです。 アントシアニン生合成経路に関する育種素材の特性を踏まえた上で 育種戦略を立てるため、常緑性ツツジの野生種や園芸品種について着色を 決定する遺伝子を調査しています。 

② ツツジ花器から色素合成・形態形成・開花時期などに関わる遺伝子に注目し、 さらにそのDNA配列の解析や発現解析および遺伝性を調査しています。 また、ツツジは播種から開花までに数年かかるため、これらの有用な形質の 早期選抜を可能にするDNAマーカーの開発も行っています。 

過去の研究紹介

 

 

 

 

2016年度の研究テーマ

 

​ツツジ属遺伝資源の活用に関する研究

●ツツジ園芸品種の八重咲き形質における花器形態とAGAMOUS変異遺伝子の構造解析

ツツジ見染性品種に各種花器形質を導入した交配系統の評価

●ツツジの花冠における色素構成とpHならびに色素合成遺伝子の解析

2015年度の研究テーマ

 

ツツジ属遺伝資源の活用に関する研究

●ツツジ花冠におけるフラボノイド色素生成と遺伝子発現の解析

●ツツジ園芸品種の二重咲き形質とキシツツジ型葉緑体を識別できるDNAマーカーの適用

●常緑性ツツジ見染性品種の大輪化を目的とした育成系統の各種形質の評価

地域の植物遺伝資源の活用に関する研究

●「出雲おろち大根」と紅心大根の雑種後代における着色形質ならびにフラボノイド3‘-水酸化酵素遺伝子の遺伝性

● 新規形質を導入した「出雲おろち大根」育成系統の特性評価

 

品種改良および新品種の作出に関する研究

● 隠岐の花トウテイランの形質評価ならびに島根県固有種サンイントラノオとの種間交雑による鑑賞性の向上

2013,2014年度のテーマ

ツツジ属遺伝資源の活用に関する研究

●ツツジ花色の発現に関与する色素とその生合成・調節遺伝子の解析

●ツツジ八重咲き品種における原因遺伝子の解析と形質の遺伝性

●ツツジ二重咲き形質の原因遺伝子の解析

●見染性を導入した新規形質を有するツツジ品種の開発

●ツツジにおけるSSRマーカーを用いた雑種検定の確立と園芸品種の起源の推定

 

地域の植物遺伝資源の活用に関する研究

●紫系および赤系「出雲おろち大根」の育成と色素の遺伝性

●紫系および赤系「出雲おろち大根」の着色遺伝子の解析

●島根の新野菜「ガイニマイナ」の各種形質の評価

 

品種改良および新品種の作出に関する研究

●隠岐の花トウテイランの形質評価と品種改良

 

 

 

 

2012年度の研究テーマ

 

●常緑性ツツジの見染性形質に関連するDNAマーカーの遺伝性

●ツツジにおける花色の発現要因と制御遺伝子の解析

●SSR解析による江戸キリシマ系ツツジの品種発達と伝播経路の推定

●アスクレピアスの染色体数と倍数性の遺伝性について

●紫系および赤系‘出雲おろち大根’育成系統における形質の固定化について

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